【JPSI代表に聞く】最初の1株を買う前に、知っておきたいお金と自分の話
今回の記事は記念すべき「リレー連載」の第一弾です!
リレー連載は早稲田投資サークルforwardのOBさんやそのほかのコミュニティにいる「すごい投資家」の方々にインタビューをしていく記事です!投資についての考え方や手法、人生観まで幅広く聞いていきます!!
今回は、日本の学生金融教育の発展に尽力する学生投資家・起業家「惠良祐太」さんにお話を伺いました。我々JPSIの代表理事です🙌🏻
SNSを開けば「NISA」「個別株」といった情報があふれる今、投資に興味を持つ学生が増えています。しかし、いざ始めようとすると「何から学べばいいのか」「どの株を選べばいいのか」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、投資を通じたお金との向き合い方から、会社経営との結びつき、そして投資初心者の学生が最初に考えるべきポイントについて語っていただきました。
惠良祐太さん(学生投資家・起業家)
投資に興味を持ったきっかけ
今日はよろしくお願いします。最近、NISAの話題なども増えて投資に関心を持つ学生が増えていますよね。惠良さんが投資に興味を持ったきっかけはいつですか?
よろしくお願いします!
高校時代に時給800円でアルバイトをしていました。その際に自販機のジュースが値上がりしていることに気が付き、自分の時給や世間の給与水準は変わらない一方で、インフレが加速していく現実を目の当たりにして、「これは、まずいねぇ…」と感じました。そんな社会への危機感が、投資やお金について考える最初のきっかけでしたね。
実際にいつごろから投資を始めていたのですか?また、初期の投資で印象に残っている経験を教えてください。
僕は高校生の頃から投資を始めていました。
当時は個別株をメインに触っていたんですが、特に印象に残っているのはIPO(新規公開株)くらいですね。正直今の自分から当時の手法を思い返した時、投資と言えるレベルのものではなかったと感じます笑笑
高校生からというのはかなり早いですね。IPO投資ではどんな体験をされたんですか?
IPO投資というのは、簡単にいえば「抽選に当たれば、これから上場する企業の株を公開価格で買える」という仕組みです。それがなんと3倍になりまして……今思えば、完全に「間違った成功体験」でしたね(笑)。初値で売り抜けるみたいな戦略を立てて行うのであれば立派な投資だと思うのですが、当時の僕はそんなことは考えもしていませんでした(笑)。
当時、投資に回す資金はどうやって用意していたんですか?
学校に内緒でほっともっ⚪︎でバイトをしていました。2年間コツコツ貯めて200万円ほどの資金ができましたね。実は元々、そのお金で世界一周旅行に行こうと思っていたんです。ただ、ちょうどコロナ禍と重なってしまって旅行が実現できなくなりました。
そこからお金の使い道が変わったんですね。
そうですね。浮いてしまった資金をどう活用するかを考え始めたのが、投資やお金、諸々との向き合い方を見直すきっかけになりました。
経験への投資と、会社経営
初期の成功体験を経て、現在も株式投資を中心に運用されているのでしょうか?
実は、いまは金融投資だけに資金を回しているわけではないんです。むしろ、自己投資や会社経営、人との出会いにお金や時間を使うことのほうが増えました。特に高校生の頃行きたかった海外旅行には惜しみなくお金を使っていて、大学2,3年ではアメリカ横断やヨーロッパ横断に行きましたね。
資産を増やすこと以上に、経験に投資していると。
はい。若いうちは資産をただ貯め込むよりも、色んな経験に変えた方が将来的なリターンが大きいと考えています。インターンや事業の立ち上げ、優れた人との関わりは、すぐには目に見える数値には表れないですが、自分の判断力や視野を広げてくれるので、長期的には大きな価値になると感じています。
会社経営もされているとのことですが、投資と経営はどのように結びついていますか?
僕の中では表裏一体だと思っています。決算書などの数字だけを見て企業に投資することには限界があるため、実際の現場を知らないと企業の本質は捉えづらいと思っていて。
経営の現場を知ることで、投資家としての視点も深まるわけですね。
その通りです。逆に、経営者にとっても数字を読む力は不可欠です。投資家として企業を分析する視点と、経営者として事業を動かす視点の両方を持つことで、市場や社会構造に対する理解がより深まると実感しています。
最初に考えるべきは「自分自身の生活コスト」
これから投資を始めてみたいと考えている学生が、まず最初に考えるべきことは何でしょうか?
まずは、銘柄選びなどではなく「自分自身の生活コスト」を把握することです。
銘柄や投資先選びではなく、自分の生活コストですか?
やはり「どの銘柄が上がるか」「NISAをどう使うか」に目がいってしまうと思うのですが、毎月の収支や自由に使える資金の額を把握していなければ、投資の判断が不安定になります。
確かに、資金に余裕がない状態で始めると冷静な判断が難しくなりそうです。
特に学生の場合、運用に回せる元本は限られています。少額の運用で数%のリターンを追うよりも、アルバイトやインターンで稼ぐ力を高めたり、スキルを身につけたりする方が効率的なケースも多いです。投資と労働は対立するものではなく、「どこにお金と時間を投じるのが自分にとって最も効果的か」を考えることが大切ですね。
投資に役立つのは「世界史」と「地理」
知識の面で、事前に学んでおくと役立つ分野はありますか?
一見遠回りに思えるかもしれませんが、「世界史」や「地理」といった教養がめちゃめちゃ役立ちます!投資って情報収集や手法、戦略も大事な一方で、一番大事なのは「情報をどう解釈するか」だと思うんですよね。正直、JPSIで投資を教えるときも、手法は教えられてもこの「解釈」の部分がなかなか伝わらず苦戦しています。特に政治や宗教系のニュースは世界史を、資源やサプライチェーンの話は地理をやっていないと理解しにくいんじゃないでしょうか。もちろんこの二つはあくまで例ですが、そういった「教養」は投資の素質の隠しパラメータとして大きいと思います(笑)。
投資の本や経済ニュースではなく、歴史や地理なんですね。
はい。投資の本や経済ニュースは、それらを理解し、解釈する土台があって初めて価値を持つと思っています。もちろん世界史や地理に限らず、ニュースを読み解く読解力、数式がどういう構造をしているかを理解する数学力、最新技術を理解するための物理・化学も役立ちます。なので、もし投資を学んでみたいと考えているなら、今の高校生たちにも自信を持って「今の受験勉強には意味があるよ」と言えますね。あまり使えないのは古文・漢文くらいでしょうか(笑)。
これから投資を始める学生へ
最後に、これから投資や自己投資を始めようとしている学生へメッセージをお願いします。
資産を増やす手段は、金融商品を買うことだけではありません。働くこと、学ぶこと、人と関わることもすべて自分の価値を高める「投資」です。
学生には「時間」という大きな資産があります。目先の小さな利益だけに囚われず、自分自身の可能性に投資することも選択肢に入れてみてください。銘柄を選ぶ前に、自分の生活を知る。日本株を見る前に、世界を知る。そして、『自分がどんな未来を作りたいか』を考えることから始めてみてほしいな、と思います。
惠良さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
ありがとうございました!!